けんぴ

スカーフェイスのけんぴのネタバレレビュー・内容・結末

スカーフェイス(1983年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

キューバからアメリカにやってきた、boat peopleの主人公トニーモンタナが、チンピラからギャングへ成り上がる過程、その後生涯を閉じるまでを描いた物語。

《ネタバレ注意》


170分と長尺ながら、階段をかけ登るような疾走感がある。チンピラがどんどんのし上がるのはサクセスストーリー的軽快さがあり、見ていて楽しい。
トニーモンタナの度胸や自信、運も味方してギャングのトップになる様は、アルパチーノのカッコよ!
ただ、権力を手にし、金、女、地位思うがままになった男の末路は、寂しく悲惨なものであった……
簡潔に述べると、何も見えなくなり不幸になった。
金に妄執し、権力を振りかざして横柄な態度をとり、組織や取引先との間に確執が生まれ……
加えて病的なまでシスコン設定、弟分をアレするとかもうね、終盤のダメっぷりは物凄いです。見ている人も、「もうどうしようもないなトニーモンタナ」と愛想を尽かす。そのタイミングで、ラストを迎えるのは、流れがスムーズで、物語としての締めくくりが上手い。後味悪い結末なはずなのに、すっと入る。嫌悪も虚無もなく、むしろ達成感というか。上手く言えないけど。
あの銃撃戦でもなかなか死なない感じ、最期まで図太いところが主人公らしいな。

野望を持った若者から、醜い資本主義の豚ギャングまで、アルパチーノが演じ切る。
名俳優による演技が光る名作でした。

エンドロール直前『ハワード・ホークスとベン・ヘクトに捧げる』の字幕は、二人の作品『暗黒街の顔役』が元になって本作ができたからです。(メモ)
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