The World Is Yours...
アル・パチーノ主演の名作。
「世界はあなたのもの」…この言葉がぐさりと突き刺さってきます。
シェイクスピア悲劇を思わせるような古風な展開と
モダンな音楽がミスマッチなように思えたけれど
30年代の映画のリメイクだと知って納得！
デ・パルマ監督ならではの映像美と風刺的な作風が目立ってました。
主人公トニー・モンタナを演じるのは名優アル・パチーノ。
２時間50分の本編の中で、主人公を取り巻く環境は天と地ほど変化するのだけれど、中心にいるトニーの人間性は変わっていない。
「オレはやってない」としらを切るトニーの初登場シーンでは、あまりの嘘の下手さに「いや、絶対お前悪者でしょ！」とツッコミを入れたくなるほど。
そんな冒頭から垣間見れるトニーの気質がのちに弱点となって、彼を孤立させ、破滅させる。その過程をしっかりと追わせてくれるアル・パチーノ、お見事。
全てを手に入れ、世界を手にしようとしたトニー。
彼の生きる「汚い世界」と愛する妹のいる「潔い世界」との境界が壊れた時、彼の世界も崩れ始める。
The World Is Yours... だけど世界がひとつじゃなかったら？
ラストシーンは圧巻でした。ミッシェル・ファイファーの透明感すごい。
