まめもやし

スカーフェイスのまめもやしのレビュー・感想・評価

スカーフェイス(1983年製作の映画)
4.2
キューバ移民で皿洗いをしていたチンピラがギャングの一員となりボスまでのぼりつめる成り上がりの映画だ。トニー・モンタナという一人の人間の人生をアル・パチーノがとことん演じきっている。

トニーは自分のガッツと信用を武器として突き進み、その攻撃的な姿勢を最後まで崩さず最期まで貫いた姿にしびれた。前半ののし上がっていくまでは特にいい。目の前の麻薬に顔を埋め、やがて始まるラストの銃撃戦、そして『The World is Yours』が書かれたプールに落ちていく哀しくも強烈な印象を与えるシーン。恐らく彼のような人間はボスの器ではないのだと思う。ギャングのボスは弱さを見せてはいけない。たとえ女子供であってもその一瞬の隙が自らの命にかかわってくるのだ。それでも一人のチンピラがボスになることができたのだ。

全篇通してアル・パチーノが素晴らしい。早口でキレていてイカれた姿はもう素ではないかと思うほど完全になりきっている。バイオレンスではあるがこの男の生きざまを観ないわけにはいかない。
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