タチカワ買い出し紀行

アンドレイ・ルブリョフ 動乱そして沈黙(第一部) 試練そして復活(第二部)のタチカワ買い出し紀行のレビュー・感想・評価

5.0
中世ロシアで最も活躍したイコン画家の一人「アンドレイ・ルブリョフ」の半生を描いた作品。
タルコフスキー独特の演出や長回しがまだ確立されていない時代に作られた映画だが、水や炎の撮り方は相変わらず上手く、ストーリーもしっかり面白くて満足感がある。
タルコフスキー作品にしては物語がかなり壮大で、3時間越えの映画だけど見てて全然飽きないのが本当に凄い。
「僕の村は戦場だった」にも言えることだけど、タルコフスキーはモノクロでも素晴らしい映像美を撮ってくれる。
何度見ても圧倒されます...
ほんとに一つ一つの映像が壮大で、まるで自分もあの激動の時代を生きているかのように思わされるほど、見る者を圧倒し、魅了する。
ラストシーンではモノクロからカラーに変わり、ルブリョフが描いてきたイコン画たちが映し出される。色が付くことで、これまでのモノクロ映像とは違う美しさになり、まさに大作に相応しいラストだと思える。
言語化するのが難しいけど、ルブリョフは本当に壮大で、圧倒的な映画です。映画を見ていると言う感覚より、「アンドレイ・ルブリョフ」と言う一人の画家の人生そのものを見ている気分になる。
あと、みんな大好き「アナトリー・ソロニーツィン」がタルコフスキー作品の中で最も輝いてる映画だとも感じた。ストーカーでもカッコよかったけど、ルブリョフでは特に輝いてる気がします。