ぼぞ

裸の島のぼぞのレビュー・感想・評価

裸の島(1960年製作の映画)
4.0
大学生の時に授業で飛ばし飛ばし観て、ずっとちゃんと観たいと思いつつもタイトルが思い出せずようやくちゃんと観れました。
会話や台詞は一切なく、嫌というほど繰り返される同じ音楽と同じ作業、生活。
良くも悪くも日本らしい作品だと思います。
まさに、生きねば の精神。
街に出れば車もガスもあるのにとも思うけど、何も説明されずきっと自給自足でないと生活できない理由があるのだろうと設定を黙認してしまいます。
水をこぼしてビンタされるシーンがなかなか衝撃的。

ここからは思い出話ですが、学生時代にこの講義の先生が苦手なタイプでした。
でも裸の島、シェルブール、チャップリンなどなど紹介される作品やちょっとした小話はとても好きでした。
先生はフランスでこの作品を劇場で見たらしく、お葬式のシーンで笑っているフランス人がいたという話が印象に残ってます。
「本当に面白い作品は台詞を無くしても面白い。だから私は音ありと音無しの2パターンを試す。」という話も。
先生は全講義が終わる前に急に体調を崩されて亡くなってしまいました。
もっとちゃんといろんな話を聞いておけばよかったなと今では少し後悔しています。
とはいえ普段なら触れることがないであろう作品に出会わせていただき感謝しています。
私にとってはそういう思い出の作品でもあります。
ぼぞ

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