『Dr.HOUSE』のウィルソン役ロバート・ショーン・レナードが青春時代に主演した吸血鬼コメディ。
ドラッグストアでバイトする高校生が配達先の妖艶美女(グレゴリー・ペックの娘さんセシリア・ペック)の誘いに乗って吸血鬼にされてしまう。この手の映画の主人公はたいていオタクっぽくて非モテだが、この彼は可愛くてモテるし初体験も済ませている。中産階級の至って普通の子が吸血鬼になる。そこで自分を見つめ直す価値観の大きな転換が起こるかと言うと、そうでもない。
吸血鬼社会は既に人間と共存する穏健体制になっていて、製品化された豚の血ドリンクを飲んで何の不満もなく暮らせているので、一番肝心の吸血部分で深刻に悩まなくて済むようになっている。授かった催眠術だって、人間の時からチアガールにモテてるくらいだから有り難みがない。結局吸血鬼も人間と大して変わらないんだという話になっている。主人公を無理やり同族にした女吸血鬼は穏健化した吸血鬼社会ではアウトサイダーだと思うが、そこの設定の詰めも映画にはなかった。
吸血鬼界の新人指南役がルネ・オーベルジョノワ、吸血鬼ハンターがデヴィッド・ワーナー、ブラバン部の可愛い恋人がシェリル・ポラック。ポラックのお母さん役がキャシー・ベイツ(まだスリム)。
主人公青春スタア二人のみずみずしさで、なんとか映画として成立している。それ以上でも以下でもない。女吸血鬼が猫に変身したのは珍しい。

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