Rui

トゥモロー・ワールドのRuiのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
4.2
「ゼロ・グラビティ」などで知られるアルフォンソ・キュアロン監督作品。 これでもかという終末感に溢れた近未来SF。

2027年、最後に人類に子どもが出来てから18年経つ世界。イギリス以外の国の政府は機能しなくなり、移民は殺到。それらを制御する目的もあり国全体が軍・警察権力に管理される社会。そして、たった一人妊娠したキー。

とにかく映像の臨場感がすごかった。「バードマン」の撮影監督としても知られるエマニュエル・ルベツキの特徴とされる長回しのシーンがおそろしくリアル。戦闘シーン・出産シーンでの緊張感がこれまでの映画にないレベルで達成されているため、臨場感のある苦しさや息詰まった雰囲気が迫ってきます。

俳優の演技もそれぞれすごい。序盤のマイケル・ケインの笑うに笑えないジョークなどもそうですが、いちいちセリフの質が高いです。苦しまず死ねる自殺薬なんて、怖いなあ。

終わった世の中の始まりへの物語は、今の世の中に重なってみてしまうところもありました。
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