りょうま

トゥモロー・ワールドのりょうまのレビュー・感想・評価

トゥモロー・ワールド(2006年製作の映画)
3.7
世界は残酷

赤ちゃんの産声は、生まれさせられた事に後悔する悲しみの声なのか

赤ちゃんの泣き叫ぶ声は、この世界に絶望し、薄汚れた頭脳しかない大人たちを憎む声なのか


赤ちゃんはこの世界に絶望し、悲しみ、人々を憎んだかもしれない。でも、この世界にとっては赤ちゃんは唯一の希望だったのだ。
子供がいなくなったこの世界に、赤ちゃんがどれほど尊いものか。


なぜ人は戦争を起こす?なぜみんなで解決策を見つけようとしない?人種差別などしてる場合ではない!

だから今もどこかで赤ちゃんが泣いてる、子供の笑い声が消えるんだ。

そんな世の中に生まれさせられた事に絶望した赤ちゃんの、悲しみや憎しみの声が響き渡った。

その瞬間、銃撃音が止んだ。



生命の誕生だ。



赤ちゃんのためにみんなが命をかけたシーンや、
「打つな!」という声と共に銃撃音が止み、全員がその場で佇むシーンでは、
僕は思わず涙を落とした。
生命の誕生とはそうあるべきだ。

最後の長回しのシーンは戦争の生々しさが緊迫感と共にリアルに押し寄せられ、とても迫力があり、戦争とこの世界の悲惨さを物語っている気がした。



素晴らしいと思える映画と出会えて良かった!
りょうま

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