けーはち

少林寺三十六房のけーはちのレビュー・感想・評価

少林寺三十六房(1977年製作の映画)
3.6
お馴染みの反清復明の中華時代劇に、主人公個人の復讐劇、そこに少林寺の武術を究める修行&サクセスストーリーが噛み合って、王道スタンダード功夫武侠アクションの枠組みだが、食堂に辿り着くまでの道程の浮き橋でバランス感覚を鍛えるなどの地味な基礎鍛錬から奇抜な道具を用いた動体視力の訓練とバリエーション豊かな修行は見ていて楽しい。八斬刀使いの住持との昇段戦(?)はなかなか勝てず創意工夫を重ねた結果、編み出された三節棍の技芸というカタルシスに繋がるのは小気味良い。そして寺は俗事に関わらない建前を掲げながら、寄進集めの形で主人公を寺院の外に出して復讐を遂げさせる計らいも粋。この手の作品は僧侶同士のブラザーフッドも魅力だよね。ラストに主人公が三十六房を創設するというタイトル回収もキマリ。アクションのキレは演者に依存するが見せ場はなかなか盛り上がる。