ケロケロみん

静かなる決闘のケロケロみんのレビュー・感想・評価

静かなる決闘(1949年製作の映画)
4.5
このかっこいいジャケット!三船敏郎扮する若い医師が戦時中の手術で患者の血液から梅毒に感染。薬が満足にない状態での治療でこじらせ婚約者に「性交渉なしに性病になった」と告白できず、苦しみ抜く映画です。彼は復員後望まぬ妊娠をして自殺しようとしたダンサーを助け、自分の医院に住まわせ面倒を見ます。はすっぱだった彼女は梅毒と婚約者への愛に苦しむ姿を全て覗き見していて彼の徳の高さに感銘し段々態度も言葉遣いも身なりも良い方へ変わっていきます。
とにかく脚本が素晴らしく、的確なセリフで人間の複雑な感情を表していて心にしみます。大きな三船敏郎が小さな丸いアルマイトのやかんを手に持って婚約者にお茶を淹れてあげるシーンが2人がお互いをとても大切に感じていることがよくわかり、美しいやかんのシーンでした。