これも傑作だった。
まだ片手で足りる程しか観ていない黒澤作品だけど、シリアスで重厚で無駄のない演出に時折入れてくるユーモアのセンスがとても良い。
感情を抑えた静かな演技の三船敏郎演じる医師が、ついに…
モノクロ映画時代の光の使い方はカラー映画みたいな便利さが出て来た時代より几帳面だという知見を得た上で見たら、序盤のコントラストの付け方がすごく刺激的で良い幕開けだった。
野戦というダークなイメージに…
不意の事故で梅毒に感染した医師の苦悩。
不合理な業を背負いながらも、世のため人のために尽くす主人公の姿は普遍的なヒーロー像に見える。しかし心の中では人間的な欲求と道徳が常に戦っている。まさに静かなる…
手術中の事故により梅毒に感染してしまった青年医師の苦悩を描く。
高潔で気品に溢れる医師の藤崎を演じる三船敏郎も素晴らしいが、本作のMVPは見習い看護師の峯岸を演じる千石規子。露悪的かつ無責任だった…
梅毒に侵された医者とそれを取り巻く人々、そして伝染させた元軍人の家族がドラマを紡ぐ。
梅毒は潜伏期間が長くその間に静かに身体は病に蝕まれていく。己の病の不幸を静かに堪えぬく姿と、激しい嘆きの発露が正…
ウン十年ぶりに、名作を観直すシリーズ。
… これも、毎回記していることなのだけど、こういう作品は観る側が年齢を経てから再び接すると、心の揺さぶられ方がぜんぜん違う… 。
それから今 観ると素晴ら…
途中までは内心が描かれないため、清廉潔白かのように思える主人公キョウジだが、終盤に心情をぶちまけるシーンからぐっと面白くなる。
だからこそ前半でもっと苦悩や不満を描いてほしかった。
三船敏郎はこんな…
何人もその手で救ってきた聖人君子が救われないというなんとも言えないモドカシさ。
父親に真実を打ち明けるシーンは、この親にしてこの子ありという印象的なものだった。(というか当時にもそんな感性あったの…
戦時中の野戦病院で働いていた医者・藤崎は手術中の事故で梅毒に感染する。戦後、体を蝕まれながら医者を続ける藤崎を描く。
黒澤が東宝脱退後初作品。前作の『酔いどれ天使』に引き続き、戦後と病に…