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八月の狂詩曲(ラプソディー)のcharoのレビュー・感想・評価

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“人間はなんでもすぐに忘れてしまうのね“


原爆が落とされた長崎に住むおばあちゃんと、
その子供と孫たちとの、一夏を描いた物語。


田舎の滝や美しい自然の風景と、
原爆で溶けたジャングルジムや、慰霊碑、
その体験をした人々が映し出される。


戦後何十年も経った今では想像もつかないほど、
どこも綺麗に整備された町になってしまっている。


だけどこの体験をしている人々の心には、
ずっとあの光景が脳裏に焼き付いていて…
最後ピカを見て走り出すおばあちゃんの姿は、
まさに、彼らの心情が溢れ出た瞬間だった。


キャッチコピーにある「なんだかおかしな夏でした…」
かなり印象的だったけど、見た後は更に考え深い。
劇中に出てきた台詞もストレートに刺さった。


あまり喋らなかった静かなおばあちゃんでも、
ずっとあの日のことは覚えているのだろう。


一夏を通して、共に戦争のことを考えた、
孫たちやクラークの価値観も変化していった。
そして、この映画を見た人の心にも同じように、
体験してなくとも忘れて欲しくない、
2度と戦争を繰り返さないでほしいという
メッセージでもあった。私は忘れない。
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