樹木希林のお料理をしている様子はどうしてこんなに素敵なんだろう。
ずーっと見ていられる。
古くても長く愛用しているだろう台所道具に囲まれて、手間暇かけた美味しいもの。
娘との会話も本当に自然でこれまたずっと聞いていられる。
人を失うことは、家族にとっては毎日毎日乗り越えなきゃいけないこと。
日々思い出す場面がたくさんあって、思い出さない瞬間を自責して。
親戚が集まった命日だからってわけじゃなく、きっと毎日ああして思い出して話しかけて過ごしているんだろうな。
蝶々を追いかける様子は狂気の目だけど、でも、そうやって何かよすがを得なければ心が苦しいんだろうな。
あの子は元気に蝶々として生きてるって。
遊びに帰ってきてくれたって。
悪態が止まらないおばあちゃんがお風呂で愚痴っているのを息子がほくそ笑む感じが、雪解けを感じた。
