みそくち

歩いても 歩いてものみそくちのレビュー・感想・評価

歩いても 歩いても(2007年製作の映画)
4.1
初めて観る田舎の風景はなぜか懐かしくて、
ホコリっぽい実家はなぜか嗅いだことのある臭いが画面から伝わってきて、
弱っても頑固さだけは残った親父がいて、
愛嬌はあっても他人には優しくしてあげない嫌味が節々に出る母親がいて。

もう帰りたくなる、あまりにもありふれた、これ自分の記憶だっけ?って思えるくらい、何にも無い、ただの帰省。

だけど観れる。
なんだこの心地よさは。
全てが「あー」と思わされる絶妙な演出。

それと同時に、これ何を伝えたいんだ?是枝監督...まさか「田舎ダルいあるある」を見せたいだけ、じゃないよな?と。

ラスト3分くらいまでそう思ってた。

そして最後、心からこう思った。

『.......観て良かった。』

家族ってさ、色々事情はそれぞれあるんだろうけどさ、親にとって、子にとって、"そんなもん"でしょ、って。

先祖から命を繋ぐって、まぁ"こんなもん"でしょ、って。

うん、ありがとう。
みそくち

みそくち