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欲望という名の電車のharukaのレビュー・感想・評価

欲望という名の電車(1951年製作の映画)
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とにかくヴィヴィアン・リーの美しさと、精神ぼろぼろになってる演技に圧倒された。授業のためと思って観たけど、すごくよかった。ゴッドファーザーを観たばっかりで、この人の声って口にティッシュペーパー詰めてなくても独特なんだなって笑ってしまった。
原作が戯曲だということで、キャラクターの性格やテーマの作り込みがすごいと思うし、感想をいろんな人と語り尽くしたくなった。

最近すこし思うことがあって、映画研究の授業を受けると、一つ深い層で作品を見る目が養われて、それはそれでいいんだけど少し苦しいなと。もっと言うと、何か学ぶというのはすごく苦しいんだなと。ひとつの知見を深めることも、新しい視点を得ることも。お互いに対立、矛盾する考え方に触れて、この世に明白な善悪がないと知る。理想と現実の間にある、ものすごい距離を感じてしまう。理想と現実、ファンタジーとリアリティ。これこそが、最近の私を苦しめている、いちばん大きなテーマなのかもしれない。この映画の中でも、現実vs.夢想というのは主題だと思う。すごく考えさせられて、とにかく、夢想的なものには、常に孤独が垣間見えると思う。それはきっと、私たちがみんな、頭の中ではひとりだから。それでもやっぱり物語が大好きよ、なんて言いそうなブランチが素敵で素敵で素敵です。

話が変わるけど、ニューオーリンズで一年に一回、あのシーンの真似をして大声で叫ぶコンテストがあるらしい。最高だな。
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