汽笛の音で目を覚ます

欲望という名の電車の汽笛の音で目を覚ますのレビュー・感想・評価

欲望という名の電車(1951年製作の映画)
3.4
テネシー・ウィリアムズによる同名戯曲の映画化。

家族、屋敷、農園と全てを失った未亡人のブランチが、妹夫婦の家に身を寄せるものの、徐々に精神的に追い詰められていくといった話。まず設定からして暗くて、内容も想像通り暗い。

展開的には主人公は少し自業自得なところはあるんだけど、精神的に病んじゃっている分、少し同情はする。

ただ、個人的には主人公よりも妹やミッチなどの比較的まともな周りの人に感情移入してしまう作りだとは思う。

あと、褒めるべきはやはり役者陣の演技かな。ヴィヴィアン・リーの徐々に精神を病んで狂気を孕んでいく演技は、アカデミー賞で主演女優賞を取ったのも納得。マーロン・ブランドも本当に見事に粗暴なDV男を演じていた。

正直内容は全く好きではないんだけど、役者陣の熱演だけでも見る価値のある作品だと思う。