KARIN

欲望という名の電車のKARINのレビュー・感想・評価

欲望という名の電車(1951年製作の映画)
4.0
アメリカ演劇を代表する
テネシー・ウィリアムズの戯曲を
忠実に映画化した作品。

財産を失い、南部の貴族から身を落としてしまった女性ブランチは
故郷を離れて労働者スタンリーと結婚した妹ステラのもとを訪れる。
そこで残酷なほどのアメリカの「今」を目のあたりにしたブランチは、狂気の淵に落ちていく…。

50年代の映画は私にとって未知の世界だったので
どうなんだろうと思っていましたが
面白かったです!

人間の内面を繊細に掘り起こしながらも、アメリカ社会の核心をつくウィリアムズの物語に引き込まれっぱなしでした。

その物語をよりリアルに、立体的に彩っていたのがマーロン・ブランドとヴィヴィアン・リー。
思いのままに行動し、野生的な男スタンリーと理性を重んじ、その中にたくさんの欲望を抱えるブランチの対比が観ていて恐ろしく、魅力的。

演劇とはこういうものなのかと考えさせられる、個人的に大きな意味のある作品になりました。
KARIN

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