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俺たちは天使じゃないのFMLのネタバレレビュー・内容・結末

俺たちは天使じゃない(1989年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ロバートデニーロ × ショーンペンという天使も昇天するレベルの豪華すぎるコンビが神父になりすます脱獄犯をコミカルに演じるコメディ

窃盗で服役していたネッド(ロバートデニーロ)とジム(ショーンペン)が殺人犯ボビーの死刑執行に立ち会わされ、隙をついて逃げ出したボビーとともに脱獄に成功
道中出会ったおばあさんに自分たちは神父だと嘘をつきカナダ国境付近のニューイングランドという街まで送ってもらい、元々2人の神父が派遣される予定だった教会に潜り込みなんとか国境を越えようとする、というストーリー

よくある、知らないことをいかに知ってるかのようにやり過ごすか、という主人公のとまどいやすれ違いを楽しむコメディなんですが、ロバートデニーロが製作総指揮も務めているだけあって、ただ頭を空っぽにして笑うだけではなく、神父とか教会という設定を上手く活かし、思わず感心してしまうような伏線回収もあったりと、かなり気の利いた展開を魅せてくれます。

また、ネッドを本物の神父と勘違いして説教を受ける地元の保安官の妻モリー(デミムーア)とのシリアスながらもどこか気の抜けたやりとりも作品に彩りを与えてくれます。

モリーは金にがめつく非常に気の強い女性ですが、聾唖(ろうあ)の娘のことを愛し、大切にしている良き母でもあります。

それにしてもショーンペン演じるジムが、本当にアホで、正直どう見ても神父には見えずしかも脱獄犯が街に潜んでる、と聞かされている地元民からすればバレバレやろと思ってしまうんですが、コメディなので気にしないでおきましょう笑

ネッドのほうは割と冷静で頭もキレるんですが、油断すると本性が現れ本当の意味でキレてしまい、口が悪くなります笑

そんなネッドにびっくりする他の神父たちのリアクションもおかしくて笑ってしまいます。

そして、神など信じていないはずのネッドとジムですが..
やはり人は追いつめられたとき何かにすがったり祈ったりしてしまう本能なのでしょうか。

聖母マリア
涙を流すマリア
それが実際はただの雨漏りだったとしても
流れ落ちる雫のきらめきには奇跡を信じずにはいられない

街には自分たちを探す警察官や刑務官たちであふれ、逃げ場はもはやありません
カナダの国境を越えるチャンスは、教会の"行列"に参加すること

参加するには障害者のペアを連れていく必要があります。
ネッドはモリーの娘を連れて行列に参加しますが
そこに紛れ込んでいたボビーとの揉み合いで娘が川に落とされてしまいます。

決死の覚悟で川に飛び込み、娘を助けようとするネッド
そして、奇跡が起きます。

──マリア、降臨

なんと、先ほどの騒ぎで折れ曲がったマリアのオブジェがウォータースライダーのように川を下り、ネッドたちの元へと流れてきたのです。

まさに神の報いを受けたネッドと娘

そして、聾唖であるはずの娘が初めて言葉を話そうとします。
そんな娘に感動するモリー..

そして、娘が初めて口にした言葉

『そのひと..ダツゴク犯..』

まさにオーマイゴッドってやつです。

しかし、なんとか誤魔化しことなきを得ます。

まあその後なんやかんやあって神を信じるようになったジムは教会に残り、ネッドはモリーとともに国境を越えることに成功します。

神を信じる人も信じない人も、奇跡が起ころうとも起こらなくとも、この映画はどんな人にでも感動と笑いを分け隔てなく与えてくれることでしょう。
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