手塚治虫氏が亡くなる直前まで頭の中にストーリーがいっぱいあると言っていたのを思いだした。彼はマンガ化したいものがいっぱいあったのだと思う。そしてこの物語もその中の一つであり、大人向けに作られた実験的なお遊び映画だ。エンタメ性は低い。
彼は神様であったため誰も注意する人がいなかったのだろう。宮崎駿が「手塚さんが程度の低いアニメを作ってくれたおかげで・・・」と評してしたが、うなづける。ひどい映画だ。
ただし、それでも途中でさじを投げずに見て居られたのは、やはりストーリー重視、手塚ヒューマニズムのなせるわざだろうか。医者を志していたせいか、女性や生死に対する感情移入が極めて少ないのもその特徴か・・・