Chico

パリの灯は遠くのChicoのレビュー・感想・評価

パリの灯は遠く(1976年製作の映画)
4.0
1942年、ユダヤ人排斥の動きが加速するパリ。アートディーラーのMr.クラインは、貧困にあえぐユダヤ人から財産の絵画を安く買い叩き、戦時中の不穏な空気もどこ吹く風、娼婦を囲い贅沢な生活を送っていた。
ある日、Mr.クラインのアパートにユダヤ人通信という便りが届く。あちこち調べ周り、その新聞が同姓同名のユダヤ人に宛てられたものであり、自身の名前が隠れ蓑として利用されていることが分かる。警察から出自を疑われ、自身の社会的地位はもちろん命まで危険に晒され始めたMr.クラインは、もうひとりのクラインを見つけ出そうと一人調査を始める。

クラシックなサスペンスといった感じで、ぐっと引き込まれるストーリーと最後まではらはらさせられる展開がすごく面白かった。主題はとても重いのでオープニングの温度感がずっと続くのか…と思いきや、アランドロン演じる焦燥に駆られるMr.クラインがどこか滑稽に見え、重たい空気を中和していてバランスがすごくよかった。

ドロンの目の色ってすごくきれいだな。宝石みたい。ちょこっとだけどジャンヌ・モローもでてる。サスペンス要素を考えると原題の方があってる気がします。
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