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パリの灯は遠くのBONのレビュー・感想・評価

パリの灯は遠く(1976年製作の映画)
4.1
76年度フランス・アカデミー賞作品賞、監督賞、美術賞受賞作品です。主演はフランスの美アラン・ドロン、周りの女達はジャンヌ・モローにジュリエット・ベルトなど錚々たる面々のキャスト。

1942年ドイツ軍占領下のパリが舞台で、美術商ロベール(アラン・ドロン)が、このご時世にユダヤ系の人々が手放す美術品をここぞとばかりに安く買い叩き、贅沢な暮らしをしていて、ある日同姓同名のユダヤ人がいることに気付き、自分がユダヤ狩りされたらどうしよう…と不安に苛まれもう1人の男を追っていく男のストーリー。

自分と同じ名前の男「ロベール・クライン」への執着が強くなくなり、やがて精神が狂い自分のアイデンティティが崩壊していくアラン・ドロンの演技に鳥肌が立った。

冒頭の会話が流れるラストシーンが暗く影を落とした秀逸なオチだった。呆気なくてポカンとしてしまった。
原題は「Mr. Klein」で男の名前だけど邦題もすごく的を射て良い。
BON

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