ドナルド

パリの灯は遠くのドナルドのレビュー・感想・評価

パリの灯は遠く(1976年製作の映画)
4.2
アランドロンの名前に惹かれ観賞。
ポーの『ウィリアムウィルソン』を彷彿させるドッペルゲンガーというテーマと鏡の虚像を散りばめた演出が、彼のアイデンティティーの崩壊を分かりやすく映像化している。普通の列車にはないであろう絶対に開けられない鉄の扉が閉められるラストシーンでは、後戻りのできない絶望とユダヤ人への不条理を見せつけられる。またこのシーンをよく象徴している邦題ものセンスもいい、稀に見る攻めつつ成功したコピーライターであろう。
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