みおこし

トコリの橋のみおこしのレビュー・感想・評価

トコリの橋(1954年製作の映画)
3.3
ウィリアム・ホールデンとグレース・ケリー。1950年代を代表する美男美女スターですが、『喝采』での共演シーンのあまりのナイスカップルぶりに心を奪われまして、再共演作である本作も気になっていたのですが、10年越しに鑑賞することができました!

米国海軍のパイロットのハリーは、朝鮮戦争に爆撃隊員として従軍していた。戦争の合間に東京は横須賀に寄港し、アメリカから駆けつけた妻のナンシーはじめ家族とのひと時を楽しむが、運命の作戦"トコリの橋爆破計画"の日取りが次第に近づいてくる...。

時代背景を鑑みても、朝鮮戦争に対する軍事プロパガンダ映画としての要素を含んでいるのでは、と思わせる作り。しかし、国家のために身を捧げる兵士としてのあり方を決して全面的に肯定するわけではなく、しっかり"反戦"要素も兼ね備えているので、色々考えさせられる作品でした。
爆撃シーンも当時の技術からすると迫力MAXで、稀代の大スターのホールデンやミッキー・ルーニーも泥まみれになりながら演じていたので、撮影の過酷さが伺えます。ハリーの上長の軍曹役に、晩年の名優フレデリック・マーチも登場するのですが、これまた渋い...!
VFX技術が発達した現代の戦争映画も訴えかけてくるものはもちろんたくさんあるのですが、最近ふと気付いたのはこの時代に作られた戦争ものに出演している俳優陣は、皆第一次世界大戦、第二次世界大戦、朝鮮戦争のいずれかを間近で体験し、人によっては従軍もしているという点。だからこそ、時折映画の中で見せる表情だったり、セリフの言い回しが真に迫っていてとにかく胸が熱くなります。

日本を舞台にしている場面もあるのですが、世にも奇妙なキャバレーが登場。実在のキャバレーだそうですが、このシーンでチョイ役ながら淡路恵子さんが突然現れてびっくりしました!(笑)改めて、邦画も洋画もこんなに素敵なレジェンド俳優さんたちが活躍していたと考えるとすごい時代だったなとしみじみ。

まさかの温泉(少しツッコミどころあり)で、ホールデンとグレースと子供達が楽しんでいるシーンも登場。すごく短いシーンなんですが、作中で唯一と言っても過言ではないほっこり描写でした(笑)。
それにしてもグレース、本当にため息が出るほど美しいですね。ホールデンと今回も美男美女カップル炸裂で、とにかく眼福の極みでした。
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