店長

幸せのちからの店長のレビュー・感想・評価

幸せのちから(2006年製作の映画)
4.5
>1980年代。妻と5歳の息子と3人で暮らしていたセールスマンのクリス・ガードナーは家賃も払えず、どん底の生活を送っていた。ついには、妻が出て行き、家を追い出され、貯金も底をついてしまう。そんなクリスが最後に選んだ道は自分の才能を信じて、一流証券会社へ入社することだった。しかし6ヶ月の無給のインターンを経て、正式採用されるのはただ一人。愛する息子のため、奇跡を信じてクリスの過酷な戦いの日々が始まった。

自分が仕事をしていて子どもを育てており、こどもの歳が近いのもあって共感する部分がかなり多く、良い影響を受けた。

生活がまだギリギリ安定している序盤は骨密度計測器を盗まれたり取り返したりと面白い笑えるシーンが多かった。

インターンに受かる為に受話器を置かない、水を飲まないでトイレ行く時間を節約する、そして仕事を最速で終えて教会に寝泊まり確保の為に並ぶなど過酷を極めていたが、自分しか息子を守れないとなったら本当に死ぬ気で頑張る姿が胸を打った。

時折子どもが言う事を聞かなかったり、キャプテン・アメリカの人形を落として泣くシーンなど、誰も悪くないのに、この境遇は誰が悪いんだと頭も抱えた。そして、よく見るとこの子は異常なまでに聞き分けが良く、異常な行動力のセールスマンの営業に同行している。
今まで売れていなかった骨密度計測器が売れたのは5歳児の健気な同行の甲斐もあったに違いない。

仕事をする上での哲学などは、あくまで生活にゆとりがあるものだけに許された特権であり、彼らのように必死に気高く飢えている方々にとってはそんなものはなく、ただハングリー精神むき出しで食らいつくしかないんだろうと思った。

仕事について、向き合い方について一旦考え直させてくれる、そんな映画だった。彼らは幸せになる対価を受け取る資格がある。最後のシーンは涙なしには見れなかった。
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