Jeffrey

残菊物語のJeffreyのレビュー・感想・評価

残菊物語(1939年製作の映画)
4.5
「残菊物語」
流石に76年前の画質はBDでも厳しいものがあるが作品は極上である。映画が2時間を超える頃、歌舞伎の大演出の舞台が披露されるがマジでカッコ良すぎる。本作がなぜ日本同様に西洋で多大なる影響と人気、評価されているかが存分に堪能、味わえる素晴らしいの一言に尽きる溝口の大傑作だ。‪‬冒頭、火の玉。明治時代初期の東京。歌舞伎音楽。 三味線、唄、鳴り物。二代目尾上菊之助…本作は溝口健二の戦前の映画で溝口映画の中でも上位に来る程好きな一本で、悔しい事に芸道三部作である本作に加え浪花女、芸道一代男のフィルムが現存して無く観れない事は遺憾の意だ。物語は歌舞‬ ‪伎役者の菊之助とお徳が身分違いの恋に落ち悲恋模様と芸の道に励む姿を捉えた作風で最高の一本。144分と尺がないが悲しい出来事を乗り越えて一人前になっていく主人公の姿がかっこよく、終盤の歌舞伎の舞台の絵面のインパクト、彼の特徴の一つ長廻し撮影も素晴らしく痺れる。正に圧倒、圧巻の劇だ。‬
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