1939年公開。緻密に計算されたカメラワークと役者の動線、考え抜かれたアングルによる長回しのショット、溝口健二による徹底したワンシーン・ワンカットの技法に度肝を抜かれる。何という移動撮影。役者の表情…
>>続きを読む1100レビュー目は溝口健二監督の名作です!
序盤、菊之助とお徳が2人並んで川沿いの夜道を歩いて帰るのをワンショットで捉えた移動撮影。
菊之助が五代目菊五郎に勘当を言い渡されるに至るまでの、襖…
美しい。うん、ただただ美しい。
それは撮影方法の多分この時代には珍しいワンシーンワンカット方式を採用してるのも相まってだろう。
悲しい身分という名の差別。
男性の犠牲になる女性を描く。
ロングショ…
物語よりも撮り方、そして全体を包むように流れていた哀しい雰囲気に惹かれた。
途中に挿入された歌舞伎のシーンもとても気に入った。
その断片的な歌舞伎の内容はほとんど理解できなかったけど、なぜか夢中に…
最後、船の囃子が聞こえたまま、ヒロインの部屋とカットバックされ、音を介して離れた二人が通底する。
だが、最初の土手のトラッキング以外の、商店街と列車のトラッキングでは、主人公はヒロインを探してる
…
いったいいままで何を見て来たんだろう。
ようやっと映画の基準を知りました。
菊ちゃんを見ることができないお徳。菊ちゃんを支えるためなら身を捨てて「奈落」にまで落ちるお徳。菊ちゃんの晴れ姿をお徳…
せつなすぎる悲恋もの。
お徳の菊之助を想う気持ちが涙を誘う、というか号泣…。
お話自体は、割とベタで、ある意味、お徳は男(菊之助)にとって「都合のいい女」になってしまっているので、今日的にはどうな…
世俗的なものからまったく隔絶したところにいるようなお徳の献身的な愛。この人物像に説得力を感じられるのは、もはや崇高でさえある画面の力ゆえだろう。長回しに拘りながら常にカッチリした構図が崩れない溝口ス…
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