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ブレックファスト・クラブのhasseのレビュー・感想・評価

ブレックファスト・クラブ(1985年製作の映画)
3.5
青春映画の名手ジョン・ヒューズ監督作品。breakfast clubとは、イギリスなどで行われる、学校始業前の児童に朝食を提供する取り組みを指すが、土曜の早朝から登校して補習させられる「落ちこぼれ」を揶揄した意味合いだろうか。

ガリ勉、スポーツ馬鹿、お嬢、不思議ちゃん、不良とレッテルを貼られる学生5人が図書室に集められ、自分とは何か、をテーマにした作文を書かされる。
勿論真面目に取り組むやつは1人もいなくて、5人でいがみ合っているうちに次第に教師や親からの抑圧を吐露し、打ち解けていく。
自分とは何か、の答えを机に向き合うことではなく、他者と対話することによって見出だしていく構図がシンプルでよくまとまっている。

5人の性格や家庭環境が、冒頭の車の送迎や履いてる靴、昼飯を連続で見せることで分かりやすく描き分けている。昼飯のシーンは面白い。しかし、例えば「お嬢様は昼飯に寿司を食ってBMWで送迎してもらう」といった、その描き分けこそが5人が忌み嫌うレッテル貼りを面白おかしくも増長してしまう効果を生んでいる。

お嬢が処女か否かを問い詰められるシーンで、「処女じゃないと言えば堅物だと思われ、処女と言えば尻軽と思われる」という指摘が入るが、こういう青春時代特有のレッテル貼りのイイところをついてくる。

最後の恋愛オチはいらなかったと個人的には思う。不良とお嬢が散々いがみ合った後くっつくなんて「恋愛映画のレッテル」とも言うべき予定調和がすぎるし、何よりガリ勉が代表で作文を書いている間に、二組の男女ペアが誕生して幸せになってるとか、ガリ勉可哀想すぎる…。
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