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処女の生血のrebのレビュー・感想・評価

処女の生血(1974年製作の映画)
4.9
「悪魔のはらわた」クランクアップ直後から主要キャスト、スタッフ続投で撮影を開始した本作。
処女の生き血しか口にできないという、なんともめんどくさいルーマニアの吸血鬼ドラキュラ伯爵が処女を探してイタリアへとやってくるお話。
撮影前日に監督から「ドラキュラをやってくれ。ただしこれから5日間で10キロ体重を落としてくれ」と言われたウド・キアは、食事を一切やめてしまい水だけで過ごす。後半車椅子なのは、本当に弱ってしまい力が出なかったからだという。
冒頭のウド・キアが髪を黒く染め、化粧をするシーンは最高に美しい。そして絶望的に処女が見つからず、非処女の血を飲んで苦しみのたうち回り、みるみる衰弱していく姿は哀れすぎて笑える。最高!
本作を観たポーランドの奇才ヴァレリアン・ボロヴツィク監督は、凄惨と滑稽が入り混じるウド・キアの名演を大変気に入って、この後ジキル博士や切り裂きジャックを演じさせている。
本作にロマン・ポランスキー監督やヴィットリオ・デ・シーカ監督が出てるのも見どころのひとつ。
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