マーくんパパ

地獄の英雄のマーくんパパのレビュー・感想・評価

地獄の英雄(1951年製作の映画)
3.8
都落ち新聞記者が脚色捏造記事で世間の注目を買うという報道モラルを描いたワイルダー作品。敏腕記者テータム(K・ダグラス)は酒と横暴な態度でニューヨークの新聞社を解雇され田舎町の新聞記者に拾われる。世間の注目するような事件もない田舎町、ある日落盤事故で岩山に閉じ込められた男に遭遇したテータムはコレを利用し救出を長引かせ注目を煽り報道を独占し大事件に仕立て上げる。田舎の寂れたガソリンスタンド&食堂に嫌気がさして出て行こうとしていた妻が思わぬ騒動で野次馬が殺到し俄か繁盛し出して荷物を戻すユーモア含めた展開は正にワイルダータッチ。『失われた週末』や『サンセット大通り』並の狂気の極限までには至らず良心に目覚めてしまうダグラス記者はちょっと惜しかった。