Hika

時計じかけのオレンジのHikaのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
5.0
 全編を通して理不尽な暴力描写が多く出てくるがグロテスクさや不快感は無く、むしろ主人公が本能に従って楽しみながら振るう暴力は非常に鮮やかでこんな風に人間を殴ってみたいと思わされた。実際に人を殴ったら犯罪だし勿論そんな事はしないが、殆どの人間には潜在的に暴力性があると思う。
 奇抜なファッションやインテリア、ディストピアを思わせる街並みから何となく未来を思わせる世界観が良かった。
 前半の主人公の気持ちがいい程の残虐さと後半の方々からしっぺ返しを食う滑稽さとの対比が説教チックなのかなとも思ったが、結局最後には変わらないクズさを見せてくれてそんなのは全く必要ない思い過ごしであった。
 小鳥みたいに口を開けて大臣にご飯を食べさせてもらうシーンは傑作。主人公が世の中を舐めている様がよく分かる。
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