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時計じかけのオレンジのKentaのレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
3.9
スタンリー・キューブリック監督作品。
過激な表現ばかりの超問題作ではあるが、今でもカルト作品の名作として名高いもの。賛否は分かれるものの、一部からはとてつもない支持を得ている。

近未来のロンドン。
15歳のアレックスは、ある不良グループを率いるボス。夜な夜な集まっては、ホームレスを虐めたり、不良グループ同士の抗争を繰り広げたりしてばかりだ。暴力にセックスにドラッグなど、アレックスは欲望の全てを満たす生活ばかりしていた。
ある日、いつものように金持ちの家を襲撃した際、相手を殺してしまったアレックス。終いには仲間に裏切られ、一人だけ逮捕されてしまう。
その後、ペコペコと模範的囚人になりきったアレックスに、刑期を短縮できるという"ルドヴィゴ療法"の情報が舞い込んでくるのだが…。

オープニングから印象的で、前半なんてほぼポルノ作品かのような大胆さ。アレックスが欲求のままに好きなことをやる姿は、時には不快になってしまうほどだった。
ただ、出てくるシーンが絵になるようなものばかりで、とにかくオシャレで魅力的。キューブリックの思い描く近未来のイメージなのだろうか。ファッションやインテリア、ヘアスタイルなど、奇抜で独創的なものが多いイメージ。

今作で伝えたかったことはなんなのだろうか。結局のところ、悪人はどう洗脳しようが本能が悪い限りは原点回帰してしまうものだということだろうか。
アレックスは、ルドヴィゴ療法の実験台としてモルモットになり、それで彼は暴力と性に嫌悪感を出すようになった。なんなら、大好きなクラシックを聴くだけで吐きそうになる身体に。ただ、最後には原点に戻ってアレックスから嫌悪感は消え去っていた。つまりはそうなのか?
この療法によって、アレックスの自由を奪っているじゃないか、なんていう物議を醸したとかいうのもチラッとみたことがある。確かにとも思うけど。

今年の午前10時の映画祭で公開することを前もって知っていたため、劇場で観るのを楽しみにずっと温めていた今作。そのため、キューブリックの代表作でありながらも今回が初鑑賞だった。
初鑑賞なら誰しもが突っかかるだろうナッドサット言葉に、僕もしっかり混乱した。そのため、意味を全部理解した上でもう一度観てみたいと思う。そう好んで観る作品ではないのだろうけど。
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