歪み真珠

時計じかけのオレンジの歪み真珠のレビュー・感想・評価

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)
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日頃、暴力的な映像をみて、「やだぁ、野蛮だわ」なんて言ってるけど。わたしアルトラ好きだわ。アドレナリン出まくる!アルトラ最高!
I'm singing in the rain just singing in the rain what a glorious~と脳内再生しながら、作家に蹴りを入れるイメージで映画館の床をご機嫌で蹴って帰った。
ポップな第九で女の人と乱交するシーンがめっちゃ好き。あのシーンの前ぐらいのCDショップ(?)に2001年宇宙の旅のディスクがありましたね。
今度そういうことをするとき、好きな人に「私第九かけるのが一番興奮するのよね」ってお願いしよっかな。その興奮って、性行為そのものじゃなくて時計じかけのオレンジの興奮を思い出しての、だけど。

疲れたときの癒しって、きゃっわゆいにゃんことか好きな人の体温とか、上膳据膳のご飯とアルコールとか、リネンのさらさらのお布団とかも必要だけど、アルトラも必要じゃないですか?仕事中の理不尽な鬱憤ってゆるゆるふわふわの癒しだけじゃあ解決しないこと多くないですか?アルトラを摂取しなきゃ無理じゃないですか!?おれたちに必要なのはアルトラなんですよ!アルトラ万歳!!

精神の改造(ルドビコ療法)とか、全体主義的な雰囲気とかジョージ・オーウェルの1984を思いだした。というか、あの治療は1984から着想されていないか。そんな話を抜きにしてもサイコーの娯楽作品にきちんと仕上がってるのがキューブリックのスーパーカッコいいところ。社会に対する批判と娯楽とがきちんと両立してる。推せる芸術家だわ、キューブリック。

バリー・リンドンのときといい、衣装のミレーナさんもキレッキレ。選曲もキレッキレ。曲そのものの完成度以上の曲に昇華されてる。第九はとくに好き!なわけじゃなかったけど、大好きになったわ。美しき青きドナウは2001年宇宙の旅で、雨に唄えばと第九は時計じかけのオレンジ。あんな柔らかくて甘い雨に唄えばがこんなアルトラのイメージになってしまうなんて…うっうっ……大好きだ、キューブリック。