のり

イグアナの夜ののりのレビュー・感想・評価

イグアナの夜(1964年製作の映画)
3.8
ジャケットが気に入り鑑賞。内容も中々面白かった。

牧師のシャノンが何人もの女性に翻弄され、葛藤する。
見所はその〝女性〟たちだろう。ひとりひとりの女性の個性が際立っている。なびく金髪と白い肌が美しい少女シャーロット。人との交流を大切にし、無垢で真っ直ぐな瞳をしている画家のハンナ。大人の色気を漂わせ、シャノンと憎まれ口を叩き合えるくらい見えない信頼関係があるマキシン。他にも何人か目立つ人物はいるが好きなキャラと嫌いなキャラがハッキリ分かれそう。

シャノンは彼女たちに序盤こそ翻弄されるがドツボにハマっていくわけではなく、彼女らと関わることで彼の中の何かが変わっていく。「家」とか「恋」に対してのハンナのセリフが印象に残っている。

宗教や詩も出てくるので表面上は硬派な話だが、展開の振れ幅が大きく、静と動のバランスがちょうど良い。また丘から見える海の鮮やかな景色が美しく、カラーなら絶対に映えるのだがあえて白黒にしたのは人間ドラマに引き込ませようとしたためなのかもしれない。
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