ロンビュー

ベティ・ブルー/インテグラル 完全版のロンビューのレビュー・感想・評価

4.0
これは最高のフランス映画

まず素敵なシーンが多すぎる。荷台に向かってベティが愛を叫ぶシーンやピアノ2台で拙いながらも二重奏をするシーン。そして、当たり前のように連発されるセックスシーン。だが下品ではない(かと言って上品という訳でもない)。物語に必要な要素です。

この映画の原題は映画を見て初めて理解できると思います。このタイトルにした意味とそして、邦題のベティブルーの意味どちらも痛いほど分かります。私はインテグラルのバージョンで3時間あったのですが、2時間の方がどんなまとまり方になってるのか気になりました。

この映画はベティブルーというタイトルから取れるにベティというヒロインが主人公のように思えますが、実はゾルグという人間をベティというヒロインが与えた影響と共に表現していると思いました。彼のベティへの愛情は本物であり(これが真実ではなければ、もはや何が真実なのか分からないレベル)、とても感動しました。

ベティは元から少し、変わった女性で気に入らなければ反抗し、セックスしたければセックスをする。そして、破滅的ではありますが、彼女なりに順風満帆な生活を手に入れていました。ですが、自分の力ではどうすることも出来ない出来事に直面した時に彼女の心がどうなったかがこの映画の肝だと言えるでしょう。ですが、2人の間には紛れもない愛があったと思えます。

この映画では、青とは別に黄色も印象的に使われています。黄色が意味するのは映画「幸福の黄色いハンカチ」などでもそうであるように、幸せや喜びです。これが皮肉的に使われているようにも彼の人生を変えてくれたベティへの思いだったのかも知れないとどっちとも取れるようになってると思います。

ラストシーンは本当に涙無しでは見られないです。
ロンビュー

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