【2005年キネマ旬報日本映画ベストテン 第8位】
『敦煌』佐藤純彌監督の戦争映画。辺見じゅん著『決定版 男たちの大和』を原作に、終戦60周年を記念して制作された。観客動員400万人超となり、この年の邦画第一位の収入となった。日本アカデミー賞では作品賞など10部門で候補になり、美術賞と録音賞を受賞した。
現代パートがかったるいが戦争シーンは迫力があってよかった。一見戦争賛美にみえるルックではあるが、ちゃんと反戦映画として成立していた。
この映画の見所はなんといっても終盤の戦闘シーン。戦艦大和で戦う男たちを迫力ある映像でみせている。キャストもハマっていてなかなかいい。中村獅童は今までいいと思ったことはなかったが、本作ではけっこういい。
対して仲代達矢、鈴木京香の現代シーンは綺麗にまとめすぎ感はある。特に鈴木京香の演技がちょっと…子役の顔みたことあるなーと思ったら池松壮亮!彼はよかった。
『敦煌』はヒドいと思った佐藤純彌監督だが、本作は手堅くまとめていていい。エンタメ映画の作り手として本領発揮という感じ。尺は長いが展開は早くテンポがいい。
日本製戦争映画として悪くない出来だと思う。