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シティーハンターのmatchypotterのレビュー・感想・評価

シティーハンター(1993年製作の映画)
3.4
“シティハンタァ〜♪”。
このフレーズがやたらに耳につく“ジャッキーイズム”全開のコミカルアクション映画。

これ、昔、日曜洋画劇場の常連だったような。
だからその時のよしみでやっぱり吹替で観る。

久しぶりに観た。久しぶりに観るとさすがに歴史の流れを感じてしまう。

『シティーハンター』と言えば、日本が誇る私立探偵アニメ。
冴羽獠、とんでもなく“エロい”、いや、“デキる”男。

かつてこれを一番最初に実写化したのがこれ、ジャッキーチェンで。
本来の冴羽獠の見た目を完全に無視で“ジャッキーイズム”でやり遂げちゃうなかなかの力技の映画。

個人的にはこれはこれで好き。『シティーハンター』としてと言うより、ジャッキーの映画として割り切って観た方が楽しめるのかもしれないが。

キャラも話もめちゃくちゃわかりやすい。
派手にドンパチ、カンフーアクション。

探偵としての依頼でとある娘の捜索。
が、いつの間にか豪華客船に迷い込んでテロに巻き込まれる。冴羽獠も、カオリも、その娘、も。

そう言えばこのカオリ、どっかで観たと思ったら、『チャイニーズゴーストストーリー』のジョイウォンだったのか。綺麗なのにこういうコメディ調がやっぱり板につく。

そして、この令嬢、後藤久美子、ゴクミ。今どうしてるんだろう。健康的な可愛さ。当時は彼女観たさで観てた節は否定できない。
お茶目でおてんばで色々巻き込まれててんやわんやで可愛い。新体操でちゃんと見せ場もある。

明らかに悪そうで“乗っ取りそうな”テロリスト集団と、おふざけの度が過ぎるのになんやかんやと真相に迫っていく冴羽獠たち。

今これを民放で放送したらフェミニスト的な苦情が殺到しそうなあからさまな描写の数々、逆に気持ち良い。

途中から『ダイハード』みたいなテロリスト相手の孤軍奮闘の筋書きが単純明快。
だけど、やたらとサブキャラのクセが強くて結構色々色んなキャラクターが暗躍してるところは見どころ。

香港コメディ、炸裂。確かにその点についてはコミックっぽい。
コミックの感じをそのままのやつもあって逆にスゴい。まさか、それ、やってのけるのか、と。

“ガラガラヘビがやってくる”“スト2”、日本の流行り、無理矢理でもがっつりぶっ込んでくる荒技の数々。

個人的にはあのイケメンカードギャンブラー、好き。
そして、その彼となし崩し的に手を組む2人の女。
その、カードをシュッとやって、それを足でさらにサッと、、、まさに、アニメの世界がそこに。
でも、むしろこっちの方が“冴羽獠”っぽい気もしないでもない。

この独特の香港アクションとジャッキーイズムで仕立て上がった『シティーハンター』、冴羽獠。

もうずっとお腹減ってて、何回縛られれば気が済むのかというドタバタコメディ、冴羽獠。
もうこれはこう言うもんだと思って楽しめば良い。


F:2023
M:2898
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