あふろだんぺ

市民ケーンのあふろだんぺのネタバレレビュー・内容・結末

市民ケーン(1941年製作の映画)
-

このレビューはネタバレを含みます

不朽の名作と言われてるのに見てなかったシリーズ。

最初の方は眠たかったけど、2番めの妻の回想に入ったあたりから面白くなってきた。

なるほど。
一度見終わってからもう一度最初の方を見ると、そういう事だったのねということに気づく。

新聞のように、ケーンのしてきた事を外径だけなぞる冒頭のニュース映像。
新聞社の社長だったケーンにとっては皮肉な内容だ。

映像が終わってからの、局長らしき人の「なにをしたかではなく、彼個人のことを加えたい」みたいなセリフ。

これがこの映画の核になる部分だろう。

しかし、親しかった周囲の人でも、彼の大事していたもの(バラの蕾)は分からずじまいだった。

他人というものは、本当のところ実態のつかめないものだ。

薔薇のつぼみも、パズルの1ピースにしかすぎず、1人の人物を形成するほんの一つの欠片にすぎない。

薔薇の蕾と聞いたときの、かつての同僚や妻の、興味のなさそうな顔。

母親が子供だったケーンを手放すシーンと、ケーンと妻より先に一人息子をタクシーに乗せるシーンが重なった。
あのときのケーンの気持ちはどんなだっただろう。

葬儀にはたくさんの人が来ていたみたいだから、それなりに彼の良さを知っている人も居たのかな、と思ったり。