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市民ケーンのmkのレビュー・感想・評価

市民ケーン(1941年製作の映画)
3.6
正直ぼーっと観てると普通の映画なのだけど、この映画で使われている技法やストーリーテリング、そしてこの映画が公開されたのが1941年であることを意識しながら観ると、すごく不思議な気持ちになる。なんだか、これを作った人は、タイムトラベルして今日の映画を観てから作っているのではないかという考えが湧いてきてしまうくらいには、80年前とは思えない洗練さがある。

「バラのつぼみ」とは何のことだったのか。答えは観客の解釈に委ねられる。受け取り手によって、多様な解釈がとれる点は映画の良いところだけど、モヤっとしてあまり好きではない、、

おそらくオーソドックスな解釈としては、莫大な資産と権力で、何もかもを手にした男に思えたが、愛を手に入れることは出来なかったという話。普遍的でよくあるストーリーではある。今の当たり前に使われている技法はここから生まれたのかと思うと、多少つまらないと感じても観る価値がある作品。
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