B姐さん

いぬのB姐さんのレビュー・感想・評価

いぬ(1963年製作の映画)
-
ハードボイルドとかフィルム・ノワールってやつはとにかく複雑でやたら入り組んでいる。『三つ数えろ』を製作時、「これって結局、どういうストーリーで犯人は誰なんだい?」とハワード・ホークスが原作者のチャンドラーに聞いた時に「オレもよくわからん」って答えたように、メルヴィルも「とにかくややこしくて、わかりにくい映画」と言っている。
別にストーリーは難解ではないが、一回観ただけでは登場人物たちの行動心理とかがよく見えない。
それに加え、登場人物の名前が「シリアン」「ジルベール」「ジャン」「クラン」「モーリス」「テレーズ」「ヌテッチオ」「ファビエンヌ」・・・おい誰が誰だかわからんぞ、と途中まで顔認識がよくわからないハメに。
ようやく顔と名前が一致する頃に物語が一気に収斂していって、どんでん返しが起こり、最後に泣かせる結末が待っていた。

良質なフィルム・ノワールは何度も見返して、色々考えたくなる。ゴダールおじいちゃんやアニエスのベーおばさんのお気に入りらしいので、今度居酒屋で会ったら聞いてみたいことがたくさんある。

DVD(4/8/2015)
B姐さん

B姐さん