イシガ

日本春歌考のイシガのレビュー・感想・評価

日本春歌考(1967年製作の映画)
3.5
戦後安定期を迎えた日本社会における"抑圧不感症"の若者たちが、"民衆の愛と労働と抑圧"から生まれた春歌を延々と口ずさむ。

抑圧に抗う痛みが生だとする大人と比較して、痛みの中に飛び込むことで生を知ろうともがく若者の苦悩と憂鬱を感じた。

この若者のすぐ上の世代には、戦争を生きた大人たちがいて、持て余してる自由を鑑みる起点としてその大人たちを捉えてるんだろう。
そして今の若者が何の取っ掛かりもなく闇雲にその自由を浪費してることに対するアイロニーになってる。もちろん意図せずに。
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