ガさんの映画レビュー・感想・評価

ガ

風が吹くまま(1999年製作の映画)

3.9

桜桃の味から継がれた主題
「この世界は美しいからさ。死ぬにはもったいないよ」
なんて優しい死生観なんでしょう…。

それをこの作品では、他人の死を希求する男で表現した。
一見は思慮深そうに見えるのに浅
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ロボット・ドリームズ(2023年製作の映画)

3.6

セリフなしで状況や心情を伝える技術はすごかったけど、特に響くものはなかった。

オリーブの林をぬけて(1994年製作の映画)

3.7

どこまでが現実で、どこからフィクションなのかわからなくなる。
拙くも真っ直ぐな恋心が本当に存在してるように思えた。

自分だってこういう作品を書いたつもりでいたのにな。

そして人生はつづく(1992年製作の映画)

3.9

終わってみて後悔することばっかりだ。
その度に裂けるほど自分が嫌になる。
だけど、そして、人生は続く。
だから、次はもう少しだけ頑張ってみようと思う。
だから、今は楽しもうと思う。
それを人は成長と呼
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桜桃の味(1997年製作の映画)

4.2

1日、ただひたすらに荒野でレンジローバーを転がすだけなのに、こんなにも趣きがあるなんて。

自己を語らない男に、拙くも生の喜びと価値を語り続ける老人。
老人の語りと共に観ると、不思議と殺風景な荒野が彩
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大きな家(2024年製作の映画)

4.0

ひとつ大きく思ったのは、根本的な部分では彼らと自分を区別なんかできないってこと。
もっと言うとネパールの子供たちもそうだと思う。
同じように悩むし、同じように笑う子供たちだった。
この映画は普遍を映し
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スワン・ソング(2021年製作の映画)

3.9

無私の愛。
死に直面したとき、最も大切な存在のためにできることを考えられるか。
それほどに誰かを愛せるか。

自己を犠牲にしても、それを選び取るだけの優しさがほしいなと思った。
自分にはまだない。

泣き虫しょったんの奇跡(2018年製作の映画)

2.2

変すぎる。
これだけ素敵な俳優を豪勢に使って、何の感動も引き起こさないのはすごい。

人はたぶん親の死に目にそんなこと言えないし、そんなところで泣かないと思う。
回想の挟み方が漫画的すぎる。
みんな1
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ハッピーアワー(2015年製作の映画)

4.6

まじでもう分かんなくなってしまった。

誰をとってもどこを見ても共感して苦しくなってしまう。
それはたぶん、悪いやつなんていないから。
みんなそれぞれ、自分の信念や、信念までいかなくても考え方に則って
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グレース(2023年製作の映画)

4.0

年々、何もかもオブラートに包まれて、新鮮な喜びとか新鮮な怒りとかが失われていってる気がするけど、
この映画のだだっ広い閉塞感は新鮮に感じた。
ざらざらした手触りも。

この少女の体内に沸々と溜まってい
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静かなる男(1952年製作の映画)

3.8

いいな〜。
愚にもつかない恋愛物語が、この土地と人への愛情によって微笑ましい童話に仕上げられてて、心が澄んだ。

対峙(2021年製作の映画)

4.2

久しぶりに映画を観て涙が出た気がする。

ここにいる人はある意味その事件の当事者じゃないから、怒りや憤りの所在がない。
立場は違えど、ただただ子供のことを想って悲しみ抜くしかない。

でも、そのことを
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82年生まれ、キム・ジヨン(2019年製作の映画)

3.9

「結婚なんて時間やお金というリソースを無駄にする行為だ」って言ってた頃の自分がこの映画を観たら、
ほらやっぱり苦労ばっかりで物語としてうまくハッピーエンドに持ってっただけじゃんって思った気がする。
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トウキョウソナタ(2008年製作の映画)

4.2

なんて良作。
この時代の暗澹たる世相を見事に切り取ってる。
でも、それだけじゃなくて、ドラマとして世相を構成している、そこに生きる人たちを描くのがうますぎる。
セリフのない、言ったらなんてことのないシ
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ペイ・フォワード 可能の王国(2000年製作の映画)

2.5

ラストがひどすぎる。
作り手が登場人物の命を1つ、安易に犠牲にして、最後のカタルシスを作っているのが本当に気持ち悪い。
ご都合主義の中でも、最悪の形だと思う。
道徳的なストーリーの映画のくせして、めっ
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ジョーカー:フォリ・ア・ドゥ(2024年製作の映画)

3.7

虚構が虚像を侵食する。
冒頭のアニメーションは、前作のあらすじとして「ジョーカーがアーサーを侵食する」なのかと思いきや、本作の全体像だった。

だって、ゼアイズノージョーカーなんだから。
前作の出来事
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Cloud クラウド(2024年製作の映画)

3.4

正直、なぜ一般人があれだけ倫理観を見失うのか分からなかった。
「ここは地獄の始まりか」?

荒川良々が、家族殺しの警察官?どういうこと?

Chime(2024年製作の映画)

3.5

不安の煽り方は凄まじい。
だけど、その不安が何からくるものなのか判然としないままだった。

CURE キュア(1997年製作の映画)

4.4

面白すぎるわ。
1シーンごとにさらに深いぬかるみに感覚。それは単にアート作品的な意味わからなさではなく、あくまで物語の筋の中で、不安と恐怖心を駆り立ててくるのがすごい。

そして、全く説明的にならない
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憐れみの3章(2024年製作の映画)

3.8

普通の論理的な組み立てとか、それによる感動とかを求めて観たら、肩透かしくらうやつ。

でも、マジックレアリズム・不条理文学と同じ感覚でなら楽しめる。
カフカの短篇と同じで、そこに置かれた状況を飲み込む
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異邦人 デジタル復元版(1967年製作の映画)

3.9

ただ死を待つだけの独房に、自分の現在地を重ねてしまった。
彼は、正直者で自分の確信のみを糧として生きてきただけなのに。
ひとたび落ちると、
もうあの頃の素朴で、今思えば幸せだった生活には戻れない。
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ナミビアの砂漠(2024年製作の映画)

3.8

女の軽薄さも、男たちの浅はかさもまさに時代性を捉えてて、風刺的で自虐的。
フィクションに頼らない感じもいい。
だけど、主人公が転落してから、急にストーリーの連続性を失った感じがあった。
それが狙いかも
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エストラパード街(1952年製作の映画)

3.7

すれ違いの物理法則みたいなもののお手本って感じ。
一方が求めるものと瞬間と、もう一方のそれが噛み合わないというだけで物語が進行していく。
それが歯痒くて心地よい。

ただ最初から最後までただの両想いじ
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ラストマイル(2024年製作の映画)

3.9

エンタメとしてクオリティ高い。

物流というどでかい時限装置を使った爆弾って発想がいいし、社会の問題提起も切実な感じがする。

野木さん、本当によく題材を勉強してるし、キャラクター作りも上手いよぉ…。
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アバウト・タイム 愛おしい時間について(2013年製作の映画)

3.4

ストーリーの大観は映画的な特筆すべきものはないし、それに加わるタイムトラベルも大きく動かすものになってない印象。
主人公が特権を得て、それによる悩みも何もなくただ当たり前に享受して終わった。。

みんなのヴァカンス(2020年製作の映画)

4.4

いい映画〜!
微笑ましさで涙が出るなんて!

三者三様のはずなのに、3人の中にそれぞれ自分と同じものを見る。
好きな子に合わせて背伸びして、相手のこと考えずに不器用に気持ちをぶつけちゃう。
自分のこと
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リンダとイリナ(2023年製作の映画)

3.7

感傷に溺れない別れの間際。
それがなんかちょうどいい。

WANDA/ワンダ(1970年製作の映画)

3.5

こういうあまり一見無意味な逃避の中に、哀愁みたいなものを見つけるのはわかるけど、
それを描きたいと思う気持ちがわからんな。

めくらやなぎと眠る女(2022年製作の映画)

3.6

この短篇は読んだことがなかったけど、たぶん割と原作に忠実なんだと思う。
ねじまき鳥の話だけでも、同じ話ではあった。けど、なんか感じ方の違ってた。奥行きが死んでしまってる気がした。

失われた妻の主観も
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JUNK HEAD(2017年製作の映画)

3.9

すげ〜。
キモさ・嫌さと心地よさ・潔さが同居してる感じ。
この労力かけてでもやる価値ある唯一無二の世界観よ。
詳しいことは分からんけど、実際に撮影してるから、実際の存在感がある。
にしても、コマ撮やっ
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ジュ・テーム・モワ・ノン・プリュ(1975年製作の映画)

3.6

生き方の指標が違いすぎて、もちろん共感なんてないけど、
この登場人物を見てたら、仕事とか恋愛とかそういうものに対する価値観が凝り固まってるのかもしれんと思った。

ある意味でのおおらかさみたいなものが
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