イシガさんの映画レビュー・感想・評価

イシガ

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ほとぼりメルトサウンズ(2021年製作の映画)

1.5

この作家、田舎に住んだことないやろうなってシーンと設定の目白押し。
それ以前に登場人物の動機とか感情変化が意味不明。
ひどい。
なんでこれで映像化できるだ…

國民の創生(1915年製作の映画)

3.6

お話の人種的な対立構造はさておき、
この大作を観た観衆は、さぞ驚いただろうなっていう感慨があった。
圧倒的。

ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.3

緩急なく、ずっと同じような特異なシーン観せられると、なんか慣れちゃってもういいわってなるんだな。
それがなぜなのかも判然としないし。
起こる事象にリアリティがないことはいいとして、彼の生活とか居住地と
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

4.6

暴力の拡大に対して人間がいかに無意識であるかという話だと思った。

最初はただただ量子論に傾倒する青年だったはずのオッペンハイマーが、原子爆弾を作った作ろうとした理由ってめちゃくちゃ曖昧。
それは、純
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デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション 前章(2024年製作の映画)

4.0

最高〜。

ちょうど原作読んでたところまでで、前章が終わったけど、いかに自分が適当に読んでたのか思い知った。

こんなにも浅野いにおの思想が散りばめられてたとは。
ソラニンで種田が、地震や戦争が起こっ
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市子(2023年製作の映画)

3.9

幸せになってくれ、市子。
ってちゃんと思わせてくれる。

そして、血が冷たくなるようなあの1シーン。
あれだけで杉咲花の異才がわかる。

構成も秀逸で、ただただ夢中で感心しながら観れた。

でも、なぜ
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.7

真偽とか善悪って、当たり前のように判別可能だと思い込んでるけど、そんなことなくて相対的なもんなんだろうな。
いや、相対的ですらなくて、善であり悪であるみたいな状態の重ね合わせが成立してる。

そんなも
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.1

なんでもない。
恋愛もバトルも挫折も死別もない。
持病の描き方も劇的じゃない。

そんななんでもなく生きてる人を観るだけで、こんなにも感動できるなんて。
他人と自分を比べなければ、もっと素直になれば、
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アシスタント(2019年製作の映画)

-

はたから観たら、きらびやかな生活の無内容さ。
業界のいやいやあるある詰め合わせ。

瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.8

最後のシーン。
あのシーン撮るためにたっぷり2時間半もったいぶったような作品だった。

現実とフィクションが交錯する感覚、自分と他人(もっと言うと他人のような自分)が交錯する感覚は、映画を観て感動する
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CLOSE/クロース(2022年製作の映画)

3.7

こういう情感で描き切った映画を観ると、自分が書いた脚本がいかに説明過多なだっさいものかを突きつけられるなぁ…
恥ずかしくなるぜ。

海を駆ける(2018年製作の映画)

3.7

爽やかな青春映画だった。
あの道理に外れたラウっていう特異点の意味は分かんなかったけど、それでもいい気がした。

スケジュールを切られ続けて疲弊し続ける自分たちの生活とは、時間の流れ方が違ってて、
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シック・オブ・マイセルフ(2022年製作の映画)

3.3

自意識過剰が、自分に近いのかと思って観たけど、さすがに共感できなかったな。
最終課題はこうならないように気をつけよう〜

哀れなるものたち(2023年製作の映画)

3.9

Poor Thingsって、おれら人間全体だよね。
ベラはただのメタファー。

性欲とかのカントが言ってる悟性にあたる快楽に囚われるのも、それを抜け出て、良識的な社会において、人間の向上やら世界をより
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笑いのカイブツ(2023年製作の映画)

3.5

あかんわ…
大好きな原作エッセイの、あのヌラヌラするようなザラザラするような熱は沸いてこなかった。
岡山天音くん、めっちゃいいんだけどな…

周りのキャラクターが問題かな。
たいがのいい人っぷりも、そ
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ウェイキング・ライフ(2001年製作の映画)

4.0

やべー。
夢の中では、物理法則も言語的制約も全て意味をなくして、その結果確かさという概念が消滅する。その世界では、自他もなければ、過去現在未来という時間もないし、そうなれば物事の脈絡もない。
つまり、
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コンパートメントNo.6(2021年製作の映画)

3.8

格式ばった旅の目的とか同性の恋人とかが剥がれ落ちた結果、たまたま現れた純粋な愛情みたいな自由みたいな曖昧なもの。
心地よかった。

はちどり(2018年製作の映画)

3.9

「理不尽なことが多いわよね。」

理不尽なことが多い。それもこの世の中にありふれた理不尽なことが多い。
その中で、彼女は自分を好きになれるのかな。
自分を好きになるって、そもそもどういうことなのかな。
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

4.2

まさに清貧。
物質主義へのアンチテーゼでありながら、生活への賛歌だと思った。

日常はただ繰り返されてるんじゃなくて、どんなに慎ましく生真面目に誰の目にも触れずに過ごしても必ずイレギュラーは起こる。そ
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第9地区(2009年製作の映画)

3.8

エイリアンものの既成概念壊し映画。
まさか侵略どころか、被差別的な存在として描くなんて。
お話全体より、その構造に感服した。

SKIN/スキン(2019年製作の映画)

3.8

いやぁおもろい映画だった。
白人至上主義者って差別する側だと思っていたが、思想の歪さが世間に知れた今むしろ弱者の側になる。
トランプ政権下にこの映画を投じた意義を強く感じた。

社会も人も変わることが
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真昼の決闘(1952年製作の映画)

3.5

なんてむなしい勝利。
やっぱり人間の行動原理に、善悪が作用するのって保身とか利益とかを担保された上でのことなのか。

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