年々、何もかもオブラートに包まれて、新鮮な喜びとか新鮮な怒りとかが失われていってる気がするけど、
この映画のだだっ広い閉塞感は新鮮に感じた。
ざらざらした手触りも。
この少女の体内に沸々と溜まってい>>続きを読む
いいな〜。
愚にもつかない恋愛物語が、この土地と人への愛情によって微笑ましい童話に仕上げられてて、心が澄んだ。
久しぶりに映画を観て涙が出た気がする。
ここにいる人はある意味その事件の当事者じゃないから、怒りや憤りの所在がない。
立場は違えど、ただただ子供のことを想って悲しみ抜くしかない。
でも、そのことを>>続きを読む
「結婚なんて時間やお金というリソースを無駄にする行為だ」って言ってた頃の自分がこの映画を観たら、
ほらやっぱり苦労ばっかりで物語としてうまくハッピーエンドに持ってっただけじゃんって思った気がする。>>続きを読む
なんて良作。
この時代の暗澹たる世相を見事に切り取ってる。
でも、それだけじゃなくて、ドラマとして世相を構成している、そこに生きる人たちを描くのがうますぎる。
セリフのない、言ったらなんてことのないシ>>続きを読む
ラストがひどすぎる。
作り手が登場人物の命を1つ、安易に犠牲にして、最後のカタルシスを作っているのが本当に気持ち悪い。
ご都合主義の中でも、最悪の形だと思う。
道徳的なストーリーの映画のくせして、めっ>>続きを読む
虚構が虚像を侵食する。
冒頭のアニメーションは、前作のあらすじとして「ジョーカーがアーサーを侵食する」なのかと思いきや、本作の全体像だった。
だって、ゼアイズノージョーカーなんだから。
前作の出来事>>続きを読む
正直、なぜ一般人があれだけ倫理観を見失うのか分からなかった。
「ここは地獄の始まりか」?
荒川良々が、家族殺しの警察官?どういうこと?
不安の煽り方は凄まじい。
だけど、その不安が何からくるものなのか判然としないままだった。
面白すぎるわ。
1シーンごとにさらに深いぬかるみに感覚。それは単にアート作品的な意味わからなさではなく、あくまで物語の筋の中で、不安と恐怖心を駆り立ててくるのがすごい。
そして、全く説明的にならない>>続きを読む
普通の論理的な組み立てとか、それによる感動とかを求めて観たら、肩透かしくらうやつ。
でも、マジックレアリズム・不条理文学と同じ感覚でなら楽しめる。
カフカの短篇と同じで、そこに置かれた状況を飲み込む>>続きを読む
ただ死を待つだけの独房に、自分の現在地を重ねてしまった。
彼は、正直者で自分の確信のみを糧として生きてきただけなのに。
ひとたび落ちると、
もうあの頃の素朴で、今思えば幸せだった生活には戻れない。
独>>続きを読む
女の軽薄さも、男たちの浅はかさもまさに時代性を捉えてて、風刺的で自虐的。
フィクションに頼らない感じもいい。
だけど、主人公が転落してから、急にストーリーの連続性を失った感じがあった。
それが狙いかも>>続きを読む
すれ違いの物理法則みたいなもののお手本って感じ。
一方が求めるものと瞬間と、もう一方のそれが噛み合わないというだけで物語が進行していく。
それが歯痒くて心地よい。
ただ最初から最後までただの両想いじ>>続きを読む
エンタメとしてクオリティ高い。
物流というどでかい時限装置を使った爆弾って発想がいいし、社会の問題提起も切実な感じがする。
野木さん、本当によく題材を勉強してるし、キャラクター作りも上手いよぉ…。>>続きを読む
ストーリーの大観は映画的な特筆すべきものはないし、それに加わるタイムトラベルも大きく動かすものになってない印象。
主人公が特権を得て、それによる悩みも何もなくただ当たり前に享受して終わった。。
いい映画〜!
微笑ましさで涙が出るなんて!
三者三様のはずなのに、3人の中にそれぞれ自分と同じものを見る。
好きな子に合わせて背伸びして、相手のこと考えずに不器用に気持ちをぶつけちゃう。
自分のこと>>続きを読む
こういうあまり一見無意味な逃避の中に、哀愁みたいなものを見つけるのはわかるけど、
それを描きたいと思う気持ちがわからんな。
この短篇は読んだことがなかったけど、たぶん割と原作に忠実なんだと思う。
ねじまき鳥の話だけでも、同じ話ではあった。けど、なんか感じ方の違ってた。奥行きが死んでしまってる気がした。
失われた妻の主観も>>続きを読む
すげ〜。
キモさ・嫌さと心地よさ・潔さが同居してる感じ。
この労力かけてでもやる価値ある唯一無二の世界観よ。
詳しいことは分からんけど、実際に撮影してるから、実際の存在感がある。
にしても、コマ撮やっ>>続きを読む
生き方の指標が違いすぎて、もちろん共感なんてないけど、
この登場人物を見てたら、仕事とか恋愛とかそういうものに対する価値観が凝り固まってるのかもしれんと思った。
ある意味でのおおらかさみたいなものが>>続きを読む
難しいな…
捉えどころがありすぎるような、全然ないような。
ずっと生死の境ではぐらかされてる感じ。
純朴な幸せの定義。
今の世だと否定されるであろうその定義だって、大切な人に幸せになってほしいという想いの在り方は普遍。
普遍性を内在してるものは、時代が変わっても生き残る。
会話のリズムの外れ方が妙>>続きを読む
おもろいなぁ。
子供としてあって当然の疑問と
それを抱きしめる父さんのふところの深さよ。
高度経済成長を経て、小津映画に感じる生を失い、俗物の権化と化した80年代東京の画を貫く、ヴェンダースの眼差しと哲学。
このコントラストがおもしろい。
喧騒の中にある自分のイメージを捉える力がすごい。>>続きを読む
随所のくさいセリフで笑う以外に、どこで観客の心を動かそうとしてるのか分からなかった。
情緒にふってるように見せて、楽しませることを放棄してるだけ。
ザ・商業映画の方がまだ頑張ってるわ。
結論が、あ>>続きを読む
「藤野ちゃんは何で描いてるの?」
これは、藤本タツキの自問だろ。
答えはない。少なくとも言語化できない。
でも、その記憶が濃密で、生きてるって感じがするんだよって。
あと、やっぱり届くにはずっとやん>>続きを読む
いいな。
内的要因にしろ外的要因にしろ、許容できない生きづらさがリアルだ。
サイドウェイもそうだったけど、サムイ中年男を描くのうま過ぎる。
ラストの対話で、「ありがとう」も「ごめんね」もなくて、一言>>続きを読む
面白いし設定もいいけど、クライマックス以降がカタルシスシーン多すぎて、ちょっと重かった。
行動原理になってる動機を物語最大の謎にした割には、拍子抜けな印象。
柴咲コウの立ち居振る舞いはよかった。
たくさんの画面に映るシーンどうなの?