ちか

ヒポクラテスたちのちかのレビュー・感想・評価

ヒポクラテスたち(1980年製作の映画)
3.6
中だるみがあったものの、特に中盤以降青春映画特有の、胸の締め付けられるような場面もあった。序盤は医学生あるあるとしては面白かったが、患者からすると不快でもあるかも知れない。
医学生というものは非常にドロップアウトが多い。ポリクリ班の七人のうち2人がストレートに医者になれなかったことはそんなに大袈裟じゃない。(自殺は滅多にないが)
ナンとなく、医者になったという学生ほど、学年が上がるにつれ実感してゆく責任の重さや日常的な悲劇、試験などに追われ、病んでいってしまう。
特に主人公の、潔白で、誠実であらんと、つまり医師の聖職性を求めるピュア気持ちは、いかにも青春らしくて、キュっとした。
優しい医学生が、医師への確固とした意志を持っているならば、患者一人一人の悲劇も、きっと乗り越えられるけど、その意志に迷いがあると、簡単に追い詰められてしまうかも知れない。
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