ほおづき

愛人 ラマン/恋人・ラマンのほおづきのレビュー・感想・評価

4.0
著者の実際の経験を基に描かれた小説の映画化作品。
プライドだけは高いが落ちぶれたフランス人貧乏家族の少女が、セレブニートな中国人青年との援交で帰国するための資金を稼ぐおはなし。

かと思いきや
人種差別をするフランス人を皮肉ってもいる作品。     
中国人に食事をおごられるシーンで、気位だけが高く中国人をさげすみながらも目の前の料理に貪りつくフランス人家族の姿が、未来の日本を見るようで怖い。
  

さいしょエロ映画かと思ってたけど結構しっかりとしたドラマがあって、素直になれなさや相手を意識するタイミングの違いからのすれ違いが切ないおはなし。
お金のために体だけの割り切った付き合いだったと口では言うものの、フランスへ帰国するラストのシーンで無意識に青年を探してしまう少女と、姿は見せないが少女を黙って見送る青年の関係性が大人すぎて切ない。