KMR

愛人 ラマン/恋人・ラマンのKMRのレビュー・感想・評価

5.0
じっとりとしたベトナムの夏、薄暗い部屋。熱い吐息が入り乱れ、汗ばんだ互いの身体を貪るように何度も重ね合うシーンは必見。
中国人青年の鍛え抜かれた身体と少し浅黒い肌、紳士的な物腰が大変魅力的。
唇に赤い口紅を施し、パナマ帽を被った少女は、まだあどけなさが残る顔立ち。

当時フランスの植民地支配にあったベトナム・サイゴンを舞台に、貧しい白人少女と裕福な中国人青年との間の逢瀬。人種差別と貧困も露骨に描かれているので、見ていて辛くなった。

思わず美しさと悲しさにどっぷりと浸ってしまう。おそらくこれから先何度か観ることによって、感じ方が異なりそうな映画。ただの官能映画ではないことだけは伝えたい。
哀愁漂うテーマ曲も良かった。
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