秋のコーラ

PASSIONの秋のコーラのレビュー・感想・評価

PASSION(2008年製作の映画)
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冒頭の、机を囲んで登場人物が一同に会しての会話シーン、登場人物の目の動きが早いカットで編集されただけなのに、一瞬でそこにいる人たちの人物関係を把握できる、素晴らしいシーンだと思います。濱口監督は、比較的長回しを多用する人という認識だったので、商業作品以前にはこんな映像表現があったことにも驚きました。
また、長回しで言うと、工場の煙突に始まり、大型トラックが人物の後ろを通り過ぎて終わるまでの超絶長回しシーンは、ほんとに素晴らしかったと思います。
自分は特に、濱口監督に特徴的な、感情の起伏乏しいセリフがトーンも苦手だったけど、本作ではしっかり感情が乗っていたので、そこの部分でも、すんなり観られて良かったです。

ただ、圧倒的に苦手な部分が本当に苦手でした、、
男どもが気持ち悪すぎる…あと、かなり女性を下に見るセリフや行動があり、それで明らかに笑いを取ろうとしていて、更に実際に劇場では笑いが起きていたことが、本当に観ていて辛かったです。久しぶりに、劇場から出たくなる程でした。。
自分は特別フェミニストとかでも無いのに、このことに関して他の人は全然言及してなくて、気になっているのは自分だけなのかしらと、かなり疑問です。
事前に、「今泉力哉作品を濱口監督が撮ったら…」という作品だと聞いていて、実際それは間違ってないけれど、今泉作品はこんなに観てて不快になったり気になったりすることは無いので、明らかにもう自分に濱口監督の作風は合わないのだなと、少し悲しくなりました…作品内での女性の描かれ方が決定的に違う気がします。
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