Tatsu

PASSIONのTatsuのレビュー・感想・評価

PASSION(2008年製作の映画)
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教室のシーンは最早ホラーだし、地獄の本音を言うゲームはパワーワードの連続。しかも前者のシーンで語られる暴力についての話を、後者のシーンで実行する凄さ。そしてそれらを包括する、奇跡の話。人間の内面をカメラを通して解体していく様はカサヴェテスも意識させるが、カメラと被写体の距離感が引き離される瞬間にこそ、人間という生き物のどうしようもなさと希望が見える。2時間に収まっているのも含めて、濱口竜介の作家性を説明するのに、最も適した作品なのではないか。それにしてもこれが卒制かよ…。
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