2014年のゴジラ総選挙で見事1位を獲得したシリーズ第17作目。
今作の怪獣ビオランテは、薔薇にゴジラ細胞と亡くなった研究者の愛娘の細胞を融合させるという、人間の業をこれでもかと詰め込んだことで誕生。そりゃあ碌なことになりませんわ。
多彩な形態変化、巨大でボリューミー、強面なクリーチャー感、植物怪獣という特性を大きく活かした攻撃方法など、とにかくデザインが見事です。
自衛隊は今作ではかなり頑張っていて、抗核バクテリアを使ってのゴジラとの駆け引きがなかなかに楽しい。いつものやられ役というテンプレに収まっていない。
ただ、スーパーXの後継機が無人機になったのはいただけない。兵器は人が乗って自らの命を懸けて戦ってこそ、観ている側も熱くなれるわけで。安全な遠隔地から操ってるようじゃあダメよ。現実的にはそっちの方がいいんだろうけどね…
映画の出来を引っ張っているのが人間ドラマパートで、チープでグダグダなスパイアクションとラストの強引な〆方にどうにも乗り切れず。そして空に昇っていく沢口靖子という余りにも浮いた演出…外国人俳優の棒っぷりもすんごい目立つ。サノバビッチ!
音楽にゲーム『ドラゴンクエスト』シリーズを手掛けたことで有名なすぎやまこういち氏が参加していますが、これもゴジラシリーズにはミスマッチ感が否めず。
惜しいなぁ…
「勝った方が我々の敵になるだけです」はシリーズ屈指の名言。