スティーブンキング不朽の名作。ショーシャンクと並び、やはりキングはホラーじゃない方が映像化に恵まれていると思う。
オレゴン州の田舎でくすぶっている少年4人が、なんかデカいことをしようと“死体を探す旅”に出るという話。
家庭環境などで将来の希望の無い少年らが、旅の中で自分らの境遇を語り合い、涙して乗り越える様が溜まらなく愛おしい。
アメリカの田舎町でしかも死体を探しに行くという、普通は経験しないであろうイベントなのだが、誰もがこの物語に共感しノスタルジーを感じてしまう。
主人公のゴーディは小説家志望で、成人し実際に物書きになり彼の回想という形で物語が始まる。当然キング自身を語っているのは間違いない。
ガタイが良くて頭もいいクリス。尊敬する親父に虐待されているミリタリ好きメガネのテディ。兄に虐められている太っちょバーン。
みんな個性的だが、やはりテディがヤバみ強い。親父がノルマンディの英雄だとか言いながら、銃を撃つマネを繰り返す。でも親父に耳を焼かれている。
ゴーディのゲロの物語もなんかスゴくて良いし、チンコをヒルに噛まれるのもショッキングだ。
ホント、何一つとして共有できるエピソードは無いのに、何故にこんなにも懐かしみを感じるのか。
それは少年時代の、まだ何者にもなっていない、将来に対する漠然とした不安しかないフラストレーションに共感できるからに違いない。この少年のモヤモヤ感こそ普遍的なんだよね。
何より全て語り終えた後のエンドロールに流れるスタンドバイミーの曲よ…良き…