Kenjo

スタンド・バイ・ミーのKenjoのレビュー・感想・評価

スタンド・バイ・ミー(1986年製作の映画)
4.8
久しぶりに見た名作・Stand by me。
死体を見つけて有名人になりたいというモチベーションで線路沿いを歩いて冒険する少年たちの冒険成長物語。

子供の頃は、本当に狭い世界で生きてて、住んでる街から出るだけでも大冒険だったなと思い出した。
初めて田舎の街から東京に出た時の新鮮さやドキドキって今でも忘れられない思い出やけど、この少年たちも線路沿いを歩いてたんだろうか。
あの頃の感覚をもう一度味わうためにはもう一段階世界を広くしなきゃいけない気がする。シンプルに海外に出るとか。
人間は未知のものに魅力を感じる生き物だと思ってる。未来が分からないからこそ生きていこうと思えるし、ミステリアスな人間に出会うとその人のことを知りたくて魅力的に感じる。自分のことを知ってる人のいない世界に行ってみたい。

子供達の成長物語を主に描いてる作品やけど、リヴァーフェニックスが既に大人すぎてびっくりした。友達にかけてあげる言葉も心に響くし、ちゃんと友達を理解してあげてるのが伝わってきてかっこいい。そんな彼も弱さを見せて泣くシーンは、個人的に1番好きなシーン。内容は理不尽だなあと思うけど身から出た錆感は否めないからそこを肯定するわけではないけど、かっこいい、強い友達が夜に2人で話すときに泣き出すのってすごい心にくると思う。鹿の思い出と共に心の奥にしまった瞬間なんだろうなと思う。

昔の記憶に残ってるシーンは、汽車に追いかけられるシーンと、パイの大食い大会のシーンと、ヒルに噛まれるシーンだった。
思ったより汽車のシーン中盤頃に出てきてびっくりした。もっと終盤の山場だと思ってた。四足歩行してた少年がギリギリまで四足歩行してたの可愛かったなあ。
ヒルのシーンが本当に子供の頃に見たときトラウマレベルだった気がする。ヒルって生き物が怖すぎて池とか川とかあんまり入りたくないと思ってた気がする。

子供達にとって死体の発見ってかなり心に与えるダメージ大きそう。彼らが疎遠になってしまった原因もその辺にあるのかな。
同い年くらいの男の子も死ぬんだっていう。

とにかく、子供達のかわいい子どもらしさと勇敢な大人っぽさを同時に表現されててよかった。あの少年たち同様、多くの人々は成長していくにつれ、自分が大人になっている実感と、歳の若い人たちの未熟さを感じながら生きていると思う。未熟であるということはその分伸び代があるということで悪いことじゃないと、岡本太郎も言ってたけど、やっぱり若いということだけで価値があり、未来を感じさせる存在なんだと逆説的に伝わってきた。

エンディングのStand by meが相変わらずいい。原作のタイトルは"the body"(死体)という物々しいタイトルだったけど、主題歌のタイトルを取ったの大正解だったな。
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