誤宗黒鳥

ジェイン・オースティンの読書会の誤宗黒鳥のレビュー・感想・評価

3.2
前々からヒュー・ダンシーの出演作という事で観たかったのを鑑賞。
あまり観るタイプの映画ではないがテンポのいいオープニングから引き込まれて難なく観終わった。人々のドタバタした姿を急に描いてくるので誰が主要人物か分からないので改めて観直すと全然関係ない人が結構な秒数映っていたりしていて笑える。そこにもヒュー・ダンシーのドタバタも入れててほしかったのが残念か。

本筋は友達(年配の恋多きおばさま、おばさまが偶然居合わせて誘ったフランス語教師、離婚したての司書、その娘(レズ)、司書の友人)+男子一名(ヒュー・ダンシー)を誘ってオースティンの読書会をするというもので、離婚した女性を慰める目的から始まったのが他の参加者の問題もリンクしてきて…というもの。これらの問題が最後はだいたい大団円的に収束するあたりがご都合主義的とも言われるのも分かるが、個人的には「ウォーター・ボーイズ」を真っ先に思い出したような、「何らかの共通要素に人々が集まって色々あってめでたしめでたし」的な普遍的な話型なのでそういうものの文学色を強めにしたバージョンと考えれば不快感もなく和やかな気持ちになれる一品。
むしろ学校を出てからの方が人と程良い距離感を保って集まる共通点を作るのが難しくなってくるのでそれの理想形のような話だったし登場人物は皆金持ちのいいところに住んでる連中という点でも鼻につくという見方もできるかもしれない(笑)そういう意味での一種のファンタジーと考えるのもありか。
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